建築基礎設計の決定版!67年の歴史と進化の集大成
1952年の初版発行以来、4度の改定を経て日本の建築基礎構造技術の発展に貢献してきた「建築基礎構造設計指針」。本書はその最新版(第3版)として、これまでの知見を踏襲しつつ、現代の高度化・多様化する社会ニーズに応えるべく大幅なアップデートが施されています。設計者の判断の拠り所となる「考え方」「指標」としての位置づけを明確にし、信頼性の高い基礎設計をサポートします。
性能設計と二次設計を本格導入!より現実に即した安全性評価へ
今回の改訂では、特に基礎構造における性能設計の考え方を一層深化させ、使用限界、損傷限界、終局限界状態に対応する要求性能を明確化。さらに、大地震に対する設計(二次設計)が必須となる上部構造との整合性を図り、建物の重要度や継続使用の必要性(性能グレード)を考慮した二次設計の道筋が示されました。これにより、設計者はより具体的かつ合理的な安全性の検証を行うことが可能になります。
最新知見を反映した実践的な改訂ポイント
地震被害の教訓や最新の学術・技術の進展を反映し、実務で直面する課題に対応するための具体的な改訂が多数盛り込まれています。
- レベル2地震荷重への対応: 基礎構造に対してもレベル2荷重時の設計を基本とし、関連する地震荷重や地盤変位による荷重の章が大幅に改訂されました。
- 安全検証の明確化: 常時からレベル2荷重時までの安全検証方法、荷重・耐力係数法における安全係数や限界値がより明確に示され、設計の迷いを軽減します。
- 直接基礎・杭基礎の設計法見直し: 直接基礎の鉛直支持力における地下階部分の排土荷重の考え方や、荷重の傾斜による支持力低減について最新知見に基づき見直されました。また、旧版で「併用基礎」とされていた章は「パイルド・ラフト基礎」「異種基礎」として詳細に解説され、鋼管杭の変形性能に関する情報も追加されています。
設計者の実務を強力にバックアップ!分かりやすさと使いやすさを追求
本書は、基礎構造運営委員会および改定小委員会によって、最新の知見と社会のニーズを的確に反映し、より分かりやすく、より有用な指針となることを目指して作成されました。章構成も一部見直され、複雑化する基礎設計業務において、確かな指針となる一冊です。建築物の安全性を根底から支える基礎設計に携わる全ての技術者にとって、座右に置くべき価値ある書籍と言えるでしょう。